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通奏低音右手部分の構想(【その3】、基礎知識&実践序論編) [発表会対策:鍵盤楽器編]

 いやぁ、今日(金曜日)も涼しかったですねぇ・・8月でありながら、昨日今日とスーツの上着着用で通勤してしまいました。 

では前回の続きです。

 私がチェンバロレッスンで通奏低音を初めて教わったとき(結構昔です(汗))に指定された教科書(いわば「基本書」)が、

 IMG_7767.jpg

 このヘルマン・ケラー著(野村満男訳)の「通奏低音奏法」(全音楽譜出版社)でして、

IMG_7770.jpg

「数字の読み方」、実習課題、大作曲家が残した言葉、など、充実した内容となっています。おそらく今も、この本は古楽関係者の必読書ではないか&未だにこれ(原語初版が1930年代、翻訳本初版が1976年)を超えるものは出ていないのではないかと思われます(ですよね?)。

 この本、基礎知識については(上のように)凄く簡潔に書かれていて、正直、最初の頃はチンプンカンプン状態でしたが(当時は今のようなネット情報も無く、他に頼れる情報源も無かった)、今読み返してみると凄く良く分かる&実に良く纏まっているなぁと感心する次第です。

 今は通奏低音に関するネット情報も非常に充実しているので、この本の分かり難いところや疑問点(例えば「(現代の)コードネーム」と「通奏低音」の違いなど)をネットで調べれば「(最低限)必要な知識」については短期間で身につく(人も多い)のではないかと思います。

 次に、自分が習った、伴奏(鍵盤右手演奏)を即興するための基本ルール、いわば「実践ノウハウ」についてメモっておきます(実践で役に立つ知識なので「理論」と異なる部分もあります&記憶が曖昧な部分もあります)。
  各小節の頭(1拍目)では必ず伴奏の音を弾くこと(←必須かつ最重要)、その際、出来るだけ2個以上(可能であれば3個以上)伴奏和音を鳴らす。
    これさえ守れれば、それ以外の部分は「それほど頑張る必要はない(=十分に鑑賞に耐える演奏になる)」
   ⇒言い換えると、市販の編曲譜の伴奏例は「音が多すぎる」ものが多い(ピアノで(さらには旋律パートが現代楽器)で演奏されることを想定しているため
  苦しくなって訳が分からなくなりそうだったら、低音の「三度上」の音を鳴らせば「何とか誤魔化せる」。
  右手が余裕を持って演奏できるようになるためには、左手(低音パート)は暗譜するレベルまで練習しておくこと。

  その他、一般原則通り(例:旋律パートの音より上の音を使わないように心がける(例外あり)、旋律が長い持続音の場合に「オカズ」を入れると良い。伴奏であっても出来るだけ「旋律的な動き」を入れると美しくなる(このため、和音と和音の間を音階でつなげるようにする)。拍の頭や「6」の部分では、和音をアルペジオ的に弾くとよい(美しく聞こえる)場合が多い、「6」の部分では低音と同じ(オクターブ)音を鳴らさない、等々)

 こんな感じでしょうかね、、、次に「持論」を述べる予定だったのですが、大分長くなって来たので次回にします。

次回は、この第3楽章(=分かり易い方の曲)の
IMG_7771.jpg
右手の音を実際に入れた音源をupする予定です(それか、レッスンの模様を録音してupすることもあるかも)。

それではまた!    
 


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序論補遺編:発表会で弾くアンサンブル曲の鍵盤右手 [発表会対策:鍵盤楽器編]

 と言う訳で、昨日今日と涼しいですねぇ。 朝の予報では、今日は9月下旬か10月上旬の気温になるとか言ってましたが、本当にそんな感じでした、、、8月なのにこんなに涼しくて良いのだろうかと逆に不安になる今時分だったり(汗)。

 そんな訳で、 「発表会で弾くアンサンブル曲の鍵盤右手」シリーズ、今回は「基礎知識編」に行きたかったのですが、練習のため纏まった時間が無くて厳しい状況です(泣)・・・なので、今回は序論補遺編としたいと思います(汗)。

まずは音源upの続きで、前回は第3楽章(ト長調)の初音ミク完全2声音源だったので、今回は第1楽章(ホ短調)の完全2声演奏音源をupしたいと思います。

出だしの雰囲気は、前回写真upしたように、こんな感じです。
IMG_7766.jpg
 

ミクの歌手配置と調律は前回と同じです。

 それではぞうど、じゃないや、どうぞ(笑)。



 いかがでしたでしょうか?  この「テンポの揺れ具合」は我ながらナカナカの力作だなぁと

感じてます(笑)・・これを打ち込むのに昨日時間かかっちゃったんですよ(汗)。

 それと、ミクの「SWEET(スウィート)」の声って、結構癒やされるなぁと思う今日この頃です。

 で、時間も無いのでそろそろ収束させますと、「バッハBWV1034の傾向と対策」として、

 この第1楽章は、
 曲想(雰囲気):ホ短調、ラルゴ、重苦しい、やや複雑で難解な印象で、
特徴的なのは、フルートパートの旋律の音高さが全体的に低いってことでしょうかね。
それと、この第1楽章は「非常~に、暗譜しにくい」曲でもありますね(汗)。

 対して、前回upした第3楽章は、
 曲想(雰囲気):ト長調、アンダンテ、やや変奏曲的な感じ、軽やか、第1楽章とは色々な面で対照的な感じですね。
 フルートパートは、旋律に動きのある(速く動く)箇所が多いですね。

 このような曲に対して、どのような伴奏をつけるのか、次回以降に書けるところまで書いて行きたいと思います、、、というか、書ければよいなぁ(汗)。

  そんなこんなで今回はこのへんで、・・・皆さま御機嫌よう、さようなら


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発表会で弾く通奏低音右手部分の構想(その1、序論編) [発表会対策:鍵盤楽器編]

今日(これ書いている月曜日)は朝晩が比較的涼しくて過ごしやすかったですね・・ 

 と言うわけで、自分整理用も兼ねて、発表会のアンサンブル曲(BWV1034の第1及び第3楽章)で弾くチェンバロ右手部分について記事にしたいと思います。

 原譜はこんな感じの二段譜表でして、
IMG_7766.jpg

 上段が旋律(フルートトラヴェルソ)のパート、下段の「数字付き」の低音が通奏低音パートです。

 この種の曲では、通奏低音パートは、
 低音楽器1台(チェロ、ファゴットなど)+和声楽器1台(鍵盤楽器、リュート、ハープなど)の形態で演奏するのが一般的(ないし理想的)です・・・
   ・・・・・・
 ・・(汗)、CD録音やプロのコンサートならいざ知らず、実際のアマチュアの日常の音楽環境、いわゆる「現場の世界」(笑)は、こういった贅沢かつ理想的な環境&メンバーはナカナカ整わない(役者が揃わない)のが世の常(別名「不自由を強いられる地球人間世界での宿命」?)な訳でして、これは忙しい現代社会に限った話では無く、曲が作られた当時の時代からそうな訳です。

 そういうこともあって、このような旋律+通奏低音での「譜面上2声」のクラシック曲は、極論すると、楽譜通りの音しか出さない「完全2声演奏」でも十分満足できる(楽しめる)ように書かれている訳です。

 実際、この曲をクラシックギター「独奏曲」として(ほぼそのまま2声の形で)演奏&録音したプロギタリストもいますし(楽譜も出版されています)、この曲ではなくてコレルリのソナタの抜粋楽章ですが、旋律楽器+低音楽器の「完全に2声のみ」で演奏&録音したプロの音源も実際に聞いたことがあります。

 なので、この手の曲につき、「チェンバロが左手パートだけ弾く」演奏形態でも一見良さそうにも思えるのですが、実際そうしてアンサンブルしてみると、不思議なことに(笑)、「これでは(到底)満足できないぞっ!!」という「物足りない感」が凄~く沸いて来ます。

 この要因としては、チェロやファゴットなどの低音楽器と比較して、チェンバロは、「音量が十分でない」、「減衰楽器であり減衰度が大きい」といったパワー不足の面に加えて、「(任意の)音量操作音色操作ビブラート、ectといった音への『細工』ないし『細かい技』が全く出来ない」という技巧面も大きく関係しているものと考えられます。

 
 そういった事情からも、この種の曲の通奏低音をチェンバロ等で演奏する場合には、(低音楽器の加入の有無に関わりなく)、追加声部すなわち和音伴奏部分を演奏することが謂わば「必須課題」となる訳です。

 では折角なので、最後に初音ミクが歌う第3楽章の「2声のみ演奏」の音源をupしておきます(調律はキルンベルガー3)。  ミクの歌声は、減衰系ではなく(チェロやファゴットと同様に)持続音なので、2声でも十分満足できるかと思います(笑)、、、ではどうぞ。


(歌手につき、フルートパートはSweet、低音パートはV3オリジナルです。)
 

 いかがでしたでしょうか? 古楽器のフルートトラヴェルソだと、息遣いのみならず、運指の困難性も加わって、テンポが可成り揺らぐ演奏になるのが普通なので、そのような雰囲気を出すようにテンポ揺れを入力してみたのですが、実際のアンサンブル演奏はもっと大胆にテンポが揺れるかも知れないですね。

 で、このような2声の「骨格」に、どのような伴奏(つまり右手演奏)を加えたら演奏がより良く、美しくなるのでしょうか? というのが次回以降の主要な論点になります。乞うご期待です。

 それではまた。


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発表会対策編:8月23日(土)の練習 [発表会対策:鍵盤楽器編]

 チェンバロ発表会が2週間後、その前段階のレッスンが来週ということで、今日は久々に丸一日練習しました。

 【午前中】:
 朝食後に速攻で調律
 コンビニに行って楽譜の一部を譜めくり用にコピー
 独奏曲の練習
 アンサンブル曲の楽譜切り貼り作業↓↓(これが結構時間が掛かる(汗))
IMG_7761切り貼り作業中.jpg


 【午後】:
 アンサンブル曲の通奏低音(伴奏パート、つまり鍵盤を右手で演奏する内容)を創作&書き込み(途中まで)
IMG_7764伴奏パート作り.jpg
 (※通奏低音(伴奏パート)は本来「即興で演奏すべき」ものなのですが、バッハ曲だと十分にアナライズ(分析)して臨まないと厳しいように感じますねぇ・・・まぁ私の場合バッハでなくても厳しいのですが(自爆))
 S(最近購入したFlトラヴェルソ)と音合わせ
 

【夜】:
 通奏低音パート作り&書き込みの続き(未だ完了せず(泣))
 
 、という感じです。

 独奏曲(特に最後のフーガ)に時間を取られていてアンサンブル曲(フルートソナタBWV1034の第1&第3楽章)の練習を(殆ど全く)していなかったので、現在そのツケが回って来てます(汗)。
 これは日曜日も集中的に練習する必要ありますね・・というわけで、頑張ろう私!


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【その3】ミクが移動ド&D基準KB2で歌う発表予定曲(BWV912トッカータD-dur第3楽章) [発表会対策:鍵盤楽器編]


 これを書いている日曜日の夜、、、いよいよ3連休も大詰めです、、皆様良い連休をお過ごしでしょうか。

 私の方は、幾つかイベントがありましたが、基本的には鍵盤練習三昧(笑)ですね。最終日もこのくらい練習出来れば良いのですが、どうなることやらです(汗)。

 では、今回は表題事項つまり前回記事の続きで、第3楽章分をupします。

 第3楽章は導入がこんな感じで、
IMG_7102.jpg

タランテラ風のフーガが最後までリズミカルかつ情熱的に演奏されます。
基本的には3声の曲ですが、(スカルラッティ風に)同時発音数を増やすことでフォルテや強い感情表現をしている部分も多々あり(最大で6音同時鳴らし)、その部分も聴き所の一つでしょう。

この第3楽章は、以前に下記記事で電子チェンバロによる音源をupしたのですが、
http://justintonation.blog.so-net.ne.jp/2014-05-31

 第2楽章の終わりからこの第3楽章への導入も実に鮮やかな印象があるので、今回は第2楽章の終盤から聞いていただければと思います。
ではどうぞ

補足:このミクによる一連の音源は、鍵盤楽器の練習補助用に作ったこともあり、
   基本的に、右手で弾く音は右耳側から、左手で弾く音は左耳側から聞こえてくるように
      PANを設定しています。総じて、イヤホンで聴く方が分かりやすい&楽しめるかなと
      思いますね。


 それでは皆様、良い祝日をお過ごしください♪


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【その2】発表予定曲(BWV912トッカータD-dur)をミクに移動ド&KB2で歌ってもらった(第2楽章) [発表会対策:鍵盤楽器編]

 これを書いている金曜日の夜、、、今日は久しぶりに雨が降りましたね。やっぱり未だ梅雨は明けてないのでしょうか・・
 温度、湿度は28℃、69%で、湿度は結っっ構高いのですが、この数値だと不快指数は78(前回の83より低い)とのこと、、不快か否かは、やはり温度の要素が大きいようですね。

 そんなこんなで、今回は表題事項です。前々回記事の続きで、今回は第2楽章分をupします。

 第2楽章の導入がこんな感じで始まり(アダージョ)、
IMG_7100.jpg

 続いて上・下・内声による3声対位法(フーガ形式)での展開が続きます。
IMG_7101.jpg

 この3声の掛け合いは、半音階のモチーフも導入されて、非常に精妙(霊的?)で荘厳な感じがしますね、、。

 今回はこれをウチのミクが移動ド詠唱で歌います。音律は前回同様、D音基準のキルンベルガー2です。 
 もう少し書きますと、ドの♯は「ゴ」、レの♯は「え」で歌わせている関係で、この曲では(聞きようによっては)「死後霊(シゴレ)」とか「ゴミ」とか「壊死(エシ)」とか、色々物騒な単語(別名「空耳」w)が聞こえて来るのですが(汗)、まぁそんなところも聴き所(?)ではないかと思ったりもします。


ではどうぞ


余談:前回記事の暑いネタ(川柳等)、まだまだ募集中ですので(18日現在、獲得座布団が、昆野誠吾さん枚、ちぃさん同じく)、気が向いたらor暑くて堪らなくなったら(爆)でも結構ですので、是非チャレンジしていただければと思います。
 aha(アハ)体験ではないですが、「何か一句作ってやる~!」と頭に汗かきながらウンウン唸って藻掻いている内に、いつの間にか「あっ出来た、俺(私)って実は凄いじゃん!」の世界に到達するはずで、そうなればもうしめたもの、、、人生バラ色ですよ(爆)。 音律と同じで、「へっっ! どうせやっても無駄さ、こんなことやって何になるんだよ」とか思わずに、小さな進歩を一つ一つ楽しみながらこなして行くと良いですよね(この監獄惑星である地球世界ではそういう心境になるのが難しいことは百も承知ですが、それでもですw。まもなく「黄金時代」が来ますよきっと)。
  それとこういうのって、頭の文字の制限が有る方が却って作りやすいように感じますね。。そういう意味では作曲の形式論と相通じるものがありそうですね(などと、最後は上から目線風に書いてみるw)。

 それではまた、皆さま楽しい休日を!


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発表予定曲(BWV912トッカータD-dur)をミクに移動ド&KB2で歌ってもらった(その1) [発表会対策:鍵盤楽器編]

 これを書いている月曜日の夜、、、とにかく暑いです(汗)。
 毎年8月くらいになると、「あれ、夏ってこんなに暑いものだったっけ?」と嘆き出すのですが、今年は7月半ば前からこの調子ですからね、、、8月は一体どうなってしまうのやら・・

 というわけで、さっさと本題行きます。
 クイズシリーズも終わって一段落付いたので、例によって、ブログ記事の今後の予定や目標(野望、自己ノルマ)等を書き出そうかとも思ったのですが、こう暑くては集中力が切れてしまって如何ともしがたいですね(汗)・・。

 
 ちょっとだけ書き出しますと、今後の「野望」として、
 ①旧ブログ記事の英語版を作成して再度世界発信する
 ②過去に新旧ブログで投稿した音源の曲を再度練習&録音してyoutubeで再度世界発信する(ブログ中の音源はyoutubeのリンクに置き換える)

 というのを長期目標としたいです。
  ちなみにこのブログも既に500MB近くデータupしているので、このペースだとあと1年ちょっとでブログ容量が満杯になるはずです(冷汗)、、なので②は短期目標化すべきですよね・・

 そんなこんなで、今回は表題事項です。

 9月7日のチェンバロ発表会で演奏する予定の曲(バッハのトッカータ・ニ長調、BWV912)につき、現在鋭意練習中ですが、練習補助用のミク音源が大体出来て来ましたので、今回は第一楽章分をupします。

 第1楽章の開始部がこんな感じの序奏で、
IMG_7098.jpg

 続いて上下声部による掛け合いが最後まで続きます。
IMG_7099.jpg

 この第1楽章は、非常に快活で華やかな感じがしますね。

 今回はこれをウチのミクが移動ド詠唱で歌います。音律はD音基準のキルンベルガー2です。ではどうぞ



・・と言うわけで、未だ一部の音が入力されてなかったり音量やテンポ設定がイマイチだったりするので、今後もう少しきめ細やかに仕上げて行きたいです。

それでは今回はこの辺で、、、
みなさま、熱中症、日射病等には十分お気を付けください。


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【参考用】ホ短調トッカータ(BWV914)のフーガをDルート中全音律で [発表会対策:鍵盤楽器編]

(テンプレート変えてみました・・そろそろウチのクワガタが羽化しそうなこともありまして(笑)) 

 この記事を書いている今日(←6月6日(金))は梅雨入りの翌日です。梅雨入りしてから「幾分涼しくなったなぁ」と感じられ、その点では過ごし易いといえるのですが、如何せん昨日からのこの大雨は何とも凄まじいですねぇ(汗)、通勤時は行きも帰りもびしょ濡れ状態ですよもぅ(泣)。

 ふと思ったのですが、梅雨の季節ってこんなに雨が「激しく&長時間&大量に」降るものでしたっけ??(驚)、、、これで風がもう少し強ければ「台風」と何ら変わらないようが気がしている今時分(←22時7分)です。

ひそひそ&ぶつぶつ・・・ううむ、純正律での梅雨ウェルカム音源なんて作成&upするんじゃなかったですかねぇ(自爆))

 ま、そんなこんなで気を取り直して行きましょう!

 少し前の記事で、
>バッハの7曲のトッカータ(BWV910~916)の内、ト長調曲(BWV916)とホ短調曲(BWV914)では、黒鍵は全て♯音(F♯、C♯、G♯、D♯、A♯)として使用され、♭音は皆無ですので、いわゆるDルートのミーントーンが(何の問題も無く)使えることになります。
・・・と書いたこともあり、今回は参考用(笑)として、ホ短調曲(BWV914)のフーガ部分を同じくDルートのミーントーン(D♯、A♯型)で聴いてみたいと思います。

 今回も前置きは短くして、まずは音源です(楽器や機器は前と同じ)。


 以前の音源と比較して明らかなように、同じ♯系&音律でも、このホ短調曲は2声部分が多いこともあって、「線」的な印象が一層強く感じられるのではないでしょうか。
 ト長調フーガもそうでしたが、特にこの曲の場合、上の音源のように一貫して「インテンポ」で弾くと、たとえ頑張って「高速弾き」を心がけたとしても、演奏者も聴者も途中で「飽きて」しまう感があるので、この曲やト長調曲を発表する場合は「速度変化の表現を工夫すべき」と改めて思った次第です(←ただこのフーガ、「疾風怒濤」的な性格が強いので、あまり大げさな速度変化は付け難いようにも感じてます。)。

 それと、前回のパルティータ6番やWTC第1巻、さらにはリュート組曲(第1番)などにも見られるように、バッハの「ホ短調」曲は、「シンプルな2声」が多用される傾向にあり、こういう場合は今回のようなミーントーンよりもむしろキルンベルガーⅡなどの純正律系の音律を使った方がより美しくなるように感じている今日この頃です。
 (ぶつぶつ・・・それかいっそ各種「不均等音律」の方が良いかも知れないですよね、、、要するにミーントーンだと短三度が純正でなく、かつ長短三度の「響きのヴァリエーション」に乏しい(特に今回のような「調律替え」型だと、響きのヴァリエーションが「無くなる」)ので、演奏法(速度変化や装飾音など)を工夫しないと「単調な演奏」に感じちゃうんですよね・・・なのでぶっちゃけ、「Dルートのミーントーン(D♯、A♯型)」は、この曲で「問題なく使える」けど、「想定or最適音律ではなさそうだ」と考えてます(2014年6月6日段階、この調律につき、先ほど生チェンバロでも実験して確認・・・やはりイマイチ面白くない。しかしこの調律で先日のニ長調トッカータを弾くと・・・・♪あぁぁ(笑))。)

 では今回はこんなところで。 皆様、雨とカ※(※ビw)にはお気を付けて。


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【比較用】ト長調トッカータ(BWV916)のフーガをDルート中全音律で、他 [発表会対策:鍵盤楽器編]

いやぁぁぁぁっっっ、今日(←6月2日(月))はまた、もの凄く蒸し暑い&不快指数の高い日でしたねぇぇ(汗泣)(T_T;;;; (なんかもぅ、ビルの中に居ても気温が30度くらいあって、仕事が殆ど手につかない感じでした。)

 そんな訳で、今回は解説する気力も余り無いため、簡単に逝き、もとい行きます。

 前回記事で、
>バッハの7曲のトッカータ(BWV910~916)の内、ト長調曲(BWV916)とホ短調曲(BWV914)では、黒鍵は全て♯音(F♯、C♯、G♯、D♯、A♯)として使用され、♭音は皆無ですので、いわゆるDルートのミーントーンが(何の問題も無く)使えることになります。
・・・と書いたこともあり、今回は比較用として、ト長調曲(BWV916)のフーガ部分を同じくDルートのミーントーン(D♯、A♯型)で聴いてみたいと思います。

 これで前置きは終わり(笑)、音源です(楽器は前回と同じ)。

 前回音源と比較して明らかなように、同じ♯系&音律でありながら、前のニ長調曲(BWV912)のフーガは非常に「和声」的、「響き&リズム重視」だったのに対して、この曲は極めて「線」的、「横の流れ重視」の曲(さらには相対的に「保守的」な曲)であることが(一目ならぬ)一聴瞭然かと思います。(総じてこの曲、「安心して聴ける」のだけど前曲のような「ハラハラどきどき」感は希薄ですよね(笑))

 
 そもそも主題からして、ニ長調フーガは「ドミドドミド・シレシシレシ×2」と、あたかも最初から和音+リズム重視を宣言しているかのような(いわば「原始的」&「舞曲的」な)音型ですし、それと比較すると、この曲の主題(「ソ、ミーファソ、ドドシラソファ、ミラソファミレ、ドーレ、ミドミソドミ、ファ♯レ」)は、「音階的」だし「長大(音の数が多い)」、さらには「洗練された印象」を受けますよね。

 で、夏の発表会用として「どちらが夏っぽい曲か?」を考えると、どう考えても前者ニ長調曲の方が「夏向き」ですよね(笑)。 あのニ長調トッカータは、何気に「ラテン的」というか何か「ぶっ飛んでいる」感じが凄く好きです。

 バッハのニ長調曲は、他にも、ブランデンブルグ協奏曲第5番第一楽章のあの有名なチェンバロのカデンツとか、WTC第1巻の前奏曲とフーガとか、パルティータ第4番のあの雄大&長大さなど、何か「既存の枠から超越(ないし逸脱)しよう」的な雰囲気が感じられる作品が多い気がしますね(声楽曲「マニフィカト」(註1)もニ長調でしたねそういえば)。

註1:Magnificat(=magnify:拡大する、讃える)

ブランデンブルグ協奏曲第5番第一楽章につき、複数の奏者による「カデンツ部分だけ抜粋」の音源をyoutubeで発見したので載せておきます。
(チェンバロ演奏は、①G・レオンハルト、②A・シュタイヤー ③D. fasolis ④鈴木雅明)。


いやぁ、奏者それぞれ個性があって面白いですねぇ。 


では今回はこんなところで・・・何だかんだ言って色々と書いてしまいました(笑)。


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BWV912のフーガをDルートのミーントーン(中全音律)でシーケンサ録音してみる [発表会対策:鍵盤楽器編]

 早いもので5月も終わり&6月到来ですが、ここ数日は何かもぅ「夏日」のような感じですよね、、、今年の真夏日(7~8月頃)はどこまで暑くなることやら。。。

 さて、可変フレット式ギターにつき、ネタ曲はまだまだあるの(←というかほぼ「無尽蔵」モード?w)ですが、そろそろ夏のチェンバロ発表会の演目に真面目に取り組まなアカン気がして来たので、今回から鍵盤関係の記事も書いてみたいと思います。・・・というか私、丁度一ヶ月前に演目関係記事書いてますね。。。
http://justintonation.blog.so-net.ne.jp/2014-04-30
 ううむ、可変フレットギターでの録音&音律調査が余りに面白くて、鍵盤曲の練習をすっかり忘れておりました(自爆)。

 現在の演目候補の筆頭曲であるバッハのニ長調トッカータBWV912につき、これは可成り長大な曲なので、(3ヶ月ちょっとあるとは言え)、体力&精神力を付ける必要もあるし、そろそろ真面目に練習開始したいと思います。。。ということで、頑張ろう私!

 で、今回は手始めに、最難関と思われる最後のフーガ部分を片手ずつゆっくり練習&シーケンサー録音してみました。

 
 ここで音律の話題ですが、バッハの7曲のトッカータ(BWV910~916)の内、ト長調曲(BWV916)とホ短調曲(BWV914)では、黒鍵は全て♯音(F♯、C♯、G♯、D♯、A♯)として使用され、♭音は皆無ですので、いわゆるDルートのミーントーンが(何の問題も無く)使えることになります。

 
 それに対してこのニ長調トッカータBWV912では、曲の前半では上に述べた「♯音のみ」なのですが、中盤あたりからB♭音がちらほら出て来ます(第60~63、265~267小節目)。つまり「A♯」音と「B♭」音の両方が使われる訳です。

  特にこの266小節目の最後の「下からB♭-F」和音は、
IMG_6952.jpg
 Dルートすなわち「A♯」型としたミーントーンだと所謂「ウルフ音程(=広すぎて破綻した響きの五度)」となります。

 で、このような場合、「だからこの曲では1/4s.c.ミーントーンは使用不可能なのだ!」と考えてしまう人が多いと思うのですが(私も少し前はそういう思考回路で物を考えていました)、最近はどうも「それは違うのではないか?」、『バッハはわざとこの部分を「ウルフ音程」にしたのではないか』と思えるようになりました(註1)。
 なぜならば、この部分は、「音楽的」には、低音を(B♭音ではなく)「D音」で弾けば「極めて自然」で「何の問題も発生しない」からです。

  では何故にバッハはこの部分をB♭-Fの「ウルフ音程(=破綻した和音)」が鳴るように設計したのか?・・・色々と解釈が分かれるところかと思いますが、(2014年5月31日)現在、こう考えています。

 再有力説(作曲上の観点):このフーガは「タランテラ」形式であり、タランテラ(=毒蜘蛛)の「」を最後に加えた。

 次候補(演奏上の観点):この部分は、32分音符の非常に速い部分であり、かつ弱拍部分であるので、この破綻和音箇所をどれだけ上手く(目立たなく)処理できるかを演奏者に問うている。

 そんな観点から以下の音源を聴くと、ナカナカ面白く聴けるのではないかと思います。
では、ローランド社の偉大なる「旧型(←調律替え可能!!)タイプ(笑)」の電子チェンバロで1/4シントニックコンマ中全音律をDルート(D♯、A♯型)に調律替えした設定による、バッハのニ長調トッカータBWV912のフーガ部分の演奏(n倍速再生)音源です。

 B♭部分、分かりましたでしょうか?

 それではまた!!

註1:


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